プリンスつながりで聴く、リック・ジェームス“Street Songs”

つい最近、ニューアルバム“Hitnrun Phase One”
を発売し、ベテランらしからぬ現役感を
見せつけた、プリンス(Prince)。

80年代に、彼のライバルといわれていたのが、
リック・ジェームス(Rick James)です。

リック・ジェームスといえば、
70年代の“Mary Jane”もイイんですけど、
やはりここは、代表作といわれるアルバム
“Street Songs”(81年)を聴いてみることにしました。

ダンサブルでパンチが効いていて、
ちょっとワルなファンク・サウンド。
その勢いにのって、うねるように歌い上げる
リックの熱いヴォーカル。
彼はベースを弾くので、
強調されたベースラインが、耳に残ります。
ホーン・セクションも華やか。
このアルバムは、ほんとによく売れたんですよね。

収録曲で最も有名なのが、“Super Freak”でしょう。
90年にMCハマー(MC Hammer)が、この曲をサンプリングした
“U Can’t Touch This”を発表して、注目されました。
ブラックミュージックのファンではなくても、
あのフレーズを知っている人は多いと思います。

そして、その“U Can’t Touch This”をサンプリングしたのが
MCコミヤの「倦怠期です」(90年代初め)。
コント赤信号の小宮くんの黄金ネタでした。
容貌もなんとなくハマーに似ていたし、
ラップの歌詞のワケわかんないところがおかしくて、大爆笑。
“U Can’t Touch This”が「遣唐使です」にしか聞こえなくて、
困ったものでした…。

話を、リック・ジェームスに戻しましょう。
今改めて“Street Songs”を聴いて思うのは、
バックヴォーカルの豪華なことです。
ザ・テンプテーションズ(The Temptations)や
ティーナ・マリー(Teena Marie)が担当しているのです。
ザ・テンプテーションズをしたがえて歌うなんて、
なんて贅沢なんでしょう。
リックがモータウンに入社したからこそ、
レーベルの先輩であるザ・テンプテーションズとのコラボが
実現したんでしょうね。
モータウンサウンドというと、シュープリームスとか
あのあたりを連想する人が多いと思いますが、
“バッドボーイ”リック・ジェームスもまた、
モータウンサウンドなのです。

80年代が終わるのと沿うようにして、
リック・ジェームスは表舞台から遠ざかっていきました。
その後は、事件を起こしたり、薬物に溺れたりと
さんざんな生活を送り、2004年、56歳で亡くなりました。

波乱に満ちた生涯でしたが、
R&Bの歴史に、しっかりと名を残した人でした。

Rick James – Super Freak

MC Hammer – U Can’t Touch This

MCコミヤ 倦怠期です