元気なバンド、バッド・ラビッツ登場

80年代の初めごろ、R&B界には数多くのバンドがありました。
しかも、ひとつのバンド内の人数が多く、
メンバーの顔と名前を一致させるのに苦労したものです。
しかし、80年代の中ごろから進んだ電子音の普及により、
まずバンド内の人数削減がはじまり、
90年代に入ると、バンドそのものが消滅してしまうという、
寂しい事態になってしまいました。
現在のR&B界を見渡して、すぐに思いつくバンドといえば、
ミント・コンディション(Mint Condition)と、
ヒップホップのザ・ルーツ(The Roots)くらいでしょうか。
ずいぶん少なくなってしまいました。

そんななか、久しぶりに元気のいいバンドが登場しました。
その名も、バッド・ラビッツ(Bad Rabbits)です。
バンド名のイメージ通り、ここのリードヴォーカルは
ワイルドな歌で、ガンガン飛ばしていきます。
最新アルバムの”American Love”は
ロック風の曲があったり、80年代ファンクっぽいのがあったりと、
バラエティに富んだ内容です。
なかでも、特に話題になっているのは、
スーパープロデューサー、テディ・ライリー(Teddy Riley)がかかわった
“Dance With You”という曲でしょう。
先だってのマイケル・ジャクソンのアルバムではお声がかからず、
どうしているのか心配していたテディでしたが、
こんなところで、がんばっていたんですね。
“Dance With You”は、実にテディらしい、
ニュージャックスイング調のビートが懐かしい曲です。
最近流行しているEDM(エレクトロニックダンスミュージック)に
心身ともに疲労を覚える私にとって、
“Dance With You”は、安心して身をゆだねられるダンスナンバーでした。

バッド・ラビッツの登場が刺激となって、
いろいろなバンドがでてくるようになると、
R&Bも、もっとおもしろくなるのにな、と思うのでした。

Bad Rabbits – Dance With You ft. Teddy Riley, Clinton Sparks