今年の大注目盤!サンダーキャット『Drunk』

ここ数年、女性用の小物には
ネコの柄が流行しています。
お店一軒すべてネコ柄、というところもあります。
そんなお店にぜひ置いてほしいおすすめのCDがこちら、
サンダーキャット(Thundercat)の『Drunk』です。

ジャケットの写真は、眉間にしわが寄り目が血走って
ちょっとコワイので、とっつきにくい内容かと思いがちですが、
これが案外、聴きやすいのです。
気難しそうな人に話しかけたら
意外にフレンドリーだった、そんな感じの作品です。

サンダーキャットはベーシストで、歌も歌います。
ですから、このアルバムは一般的なR&Bというより、
ヴォーカルをフィーチャーしたジャズ/フュージョン的な
R&B、といえると思います。

ペケペケ速弾きするベースの腕前には感心しましたが、
私が驚いたのは、彼の歌です。
まるでジョージ・デュークの生まれ変わりのような、
繊細なファルセットを聴かせてくれるのです。
歌手としても、魅力的な人だと思いました。

曲のほうは、かつてのジョージ・デユークやスタンリー・クラーク
のような黒々としたファンキーナンバーではありません。
シンプルでメロディーのきれいな曲が、流れるように進んでいきます。
また、「ニャーオニャーオ」というネコっぽいコーラスが入るなど、
ところどころにユーモアも感じられました。

収録曲の中で私が一番気に入ったのは、
“Show You The Way”です。
これには、ケニー・ロギンスとマイケル・マクドナルドという
AOR界のビッグネームがゲストとして参加しています。
サンダーキャットの人脈ってすごいな、と驚きましたが
ケニーもマイケルも昔と変わらぬ素敵な歌声で、感動しました。
曲も落ち着いたAOR調で素晴らしく、いつまでも聴いていたい、と
思いました。

サンダーキャットの『Drunk』は、今年の大注目盤です。
ぜひ、聴いてみてください。

Thundercat – ‘Show You The Way (feat. Michael McDonald & Kenny Loggins)