20周年を迎えたフリーソウルのベスト盤



“フリーソウルfree soul”というタイトルをつけたCDを
見たことのある方は、多いことと思います。
“フリーソウルfree soul”は、70年代ソウルを中心に編集された、
日本製のコンピレーションアルバムのブランドです。

私がフリーソウルのアルバムを初めて手にしたのは、1998年のこと。
“free soul PARTY”というアルバムだったのですが、
ブラックミュージックのコンピレーションだと思って
聴いた私は、面喰いました。
シェリル・リンらとともに、ジプシー・キングスや
ノーランズまでもが収録された、
文字通り「フリー」な内容だったからです。
でも、それぞれの曲は、それなりに良かったのでした。

それからは、フリーソウルがアーティスト別に編集した
ベスト盤も聴くようになりました。
ジャクソン5とか、ダニー・ハサウェイなどのベストです。
これらのアルバムは、収録曲数も多かったし、
一般的なベストにはあまり見られない
選曲や構成が新鮮でした。

さて、そのフリーソウルが誕生して20周年を迎えたとのことで、
最近、フリーソウル名義のCDを、よく見かけるようになりました。
なかでも、私がおすすめしたいのが、これです。

“アルティメイト・フリー・ソウル・コレクション”
(Ultimate Free Soul Collection)

これは、フリーソウルのベスト、といえるアルバムです。
2750円+税という価格ながら、3枚組で
70年代ソウル周辺の名曲がぎっしり63曲も収められているという、
大変コスパの優れた商品です。

収録曲は実にさまざま。

ソウル好きのほぼ百パーセントが「好き」と答えるだろうと
いわれる究極の一曲、スピナーズの”It’s A Shame”も
堂々と収録されております。

曲が短すぎるため、聴くたびに「もっと聴かせろー」と
もやもやしていたマービン・ゲイの
“I Wanna Be Where You Are”の、待望のロングバージョンもあります。

また、80年代を洋楽とともに過ごした世代には懐かしい
デキシーズ・ミッドナイト・ランナーズの
“Come On Eileen”なんていうのもあります。
他にも、AORにジャジー系、ブラジルものからインストまで、
フリーソウルらしい、幅広いラインナップで、
ソウルを中心にしながら、それ以外の曲も楽しめる内容になっています。
特徴として、明るい曲が多いので、ちょっと元気がないときの
リフレッシュにも、よいかと思われます。

そして、このアルバムには、紙ジャケットが使われていますが、
なんと、CD本体が、それぞれビニール袋に包まれており、
かつてのLPレコードに、さらに近づいた仕様になっているのです。
私も今まで、昔を懐かしむ紙ジャケCDに何度も遭遇しましたが、
ここまで、こだわったアルバムは初めてです。
この細かい心遣い、さすが日本製、と感心しました。

懐かしの名曲をたっぷり楽しみたい方に絶対おすすめの
“アルティメイト・フリー・ソウル・コレクション”。
ぜひ、お手にとってご覧ください。

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