聖夜にいかが ニーヨ『Another Kind Of Christmas』

こんにちは。

寒い日が多くなって、街のイルミネーションがキラキラ輝きだすと、もうすぐクリスマスです。この時期になると、R&Bアーティストの誰かがクリスマスアルバムを出してきます。今年は誰のクリスマスアルバムが聴けるのかなぁと、ワクワクするのも楽しい季節です。

2019年にクリスマスアルバム『Another Kind Of Christmas』を発表したのは、ニーヨ(Ne-Yo)です。彼にとっては初のクリスマスアルバムで、2018年の『GOOD MAN』に続くアルバムとなります。ジャケットを見てみると、落ち着いたモノトーン基調で、クリスマスらしさがあまり感じられません。しかしよく見ると、ズボンが赤と緑のチェックになっているではありませんか!このさりげなさが、ニーヨの美学なのかもしれませんね。

ということで、さっそく聴いてみました。全11曲35分の、コンパクトな作品です。そのうち新曲が5曲で、あとはソウル・レジェンドのクリスマスソングのカバーなどで構成されています。ニーヨが歌わずにゲストシンガーが歌っている曲もあるので、ニーヨを主にしたコンピレーションアルバム、という言い方もできるかもしれません。

印象に残った曲をあげてみましょう。まずは1曲目の”This Christmas”です。これ、オリジナルはダニー・ハサウェイなんですが、たくさんのR&Bアーティストにカバーされているので、もうジングルベル並みにスタンダードなクリスマスソングになっています。私も大好きな曲です。この定番曲が、”いかにも ニーヨ”に料理されて、聴く者を楽しませてくれるのです。ニーヨからファンへのクリスマスプレゼントですね。

続く2曲目は、新曲の ”Talk About It”です。 こちらは、クリスマス色はそれほど強くなく、シンプルに” ニーヨの新曲”として楽しめます。前半は流行りのラップ・シンギングで、サビをメロディアスに歌い上げるという、最近のニーヨの得意なパターンです。現行R&Bがお好きな方に、おすすめの曲だと思います。

8曲目の”I Want to Come Home for Christmas”は、マービン・ゲイのカバーです。メロディーがとても美しい曲で、ソフトで清らかなニーヨのヴォーカルとの相性もばっちりです。これは、いい曲を選んだな、と思いました。

そして私が気に入っているのが、7曲目の”Merry Christmas Baby”です。ゆったりしたブルージーな曲で、大人の雰囲気たっぷりです 。ニーヨにしては珍しいオールディーズ感 が、とても新鮮でした。クリスマスアルバムなどの企画盤は、こういうちょっとした冒険ができるのが、いいところですよね。普段は見られないアーティストの意外な一面が見られて、おもしろいなと思いました。

2019年のクリスマスは、ニーヨの『Another Kind Of Christmas』とともに、お過ごしください。