モータウン名盤が1000円② フィニス・ヘンダーソン”FINIS”

昨年発売になった、1000円で買えるモータウンの名盤シリーズ。
今回はその中から、フィニス・ヘンダーソンFinis Hendersonの
“FINIS”をご紹介します。

私はR&B/ソウルのファンになって、もう35年くらいになりますが、
1983年発売のこのアルバムのことは、当時は知りませんでした。
しかし、後になって購入したR&B/ソウルのガイド本で、その存在を
知り、ずっと聴きたいと思っていました。
今回、ようやくその願いが叶ったのです。

フィニス・ヘンダーソンの”FINIS”は、噂通り、すごいアルバムでした。
では、そのすごいところを、ポイント別に挙げてみましょう。

1 曲がすごい

どの曲も素晴らしい出来栄えでした。
重厚感のあるソウルというより、爽やかな風通しのよいAOR、
いわゆる大人向けの落ち着いたポップスという感じで、
大変聴きやすいです。プロデューサーは元アース・ウィンド&ファイアーの
アル・マッケイですが、アース風ということもなく、
バランスのとれた作りでした。
おすすめは2曲目の”Making Love”と3曲目の”Lovers”。素敵すぎます。

2 バックのミュージシャンがすごい

プロデューサーのアル・マッケイがギターを弾いているのはもちろん、
現アースのメンバーのフィリップ・ベイリーとラルフ・ジョンソンが
パーカッションを担当しています。他にもギターのスティーブ・ルカサー、
ベースのネイサン・イースト、ドラムのジェフ・ポーカロ、コーラスの
ビル・チャンプリンなど、当時の人気ミュージシャンが多数集っています。
また80年代ソウル好きには、はずせない重要人物ギャリー・グレンもコーラスで参加。
楽曲提供にはスティービー・ワンダーもかかわるなど、超豪華な顔ぶれです。

3 フィニス・ヘンダーソンがすごい

フィニスの歌声が、実に清々しいのです。
ソウルシンガー特有の粘り腰はあまり感じられませんが、
声の質も良いですし、歌も上手です。
ソウルリスナーのみならず、多くの音楽ファンに
受け入れられそうなシンガーだと思います。

4 ジャケットがすごい

私が持っているガイド本には、このアルバムのジャケットが
小さく写っていました。それを見て私は
「フィニス・ヘンダーソンは、どうして布団たたきなんか持っているのだろう?」
と思いました。まさか、そんなことあるわけないと思いつつ、
今回実物で確認しましたら、その布団たたきは、マイクでした。
昔のマイクって、布団たたきによく似ていたんですね。

それから、中のジャケットのフィニスのファッションも見どころです。
デザインセーターに赤のレザーパンツ、と実に80年代風。
今となっては恥ずかしくて、とても真似できませんが、
当時はイケてたんでしょうねぇ。

以上、すごいところがたくさんあるアルバム”FINIS”でした。
こんな名盤が、音質がよくなったうえに1000円なんて、
とてもお買い得だと思います。皆様に、おすすめいたします。