来日間近!タキシード新作『Tuxedo III』
こんにちは。
日本でも人気の高いダンスR&Bユニットといえば、タキシード(Tuxedo)です。メイヤー・ホーソーンとジェイク・ワンの二人が中心メンバーで、2015年に『Tuxedo』でアルバムデビューしました。その時は、このブログでもご紹介しましたね。あっと驚く80年代の再現ぶりに、私は魅せられてしまいました。
メイヤー・ホーソーンは、タキシード以前に質の高いソロアルバムを出していましたので、タキシードとしての活動は限定的で、すぐにソロに戻るのだろうと思っていました。ところが、タキシードのデビューアルバムが大評判になったのを受けて、彼らはバンドを率いて精力的にライブを行い、アルバムを3枚も出してしまいました。メイヤーは現在、タキシードが本業みたいになっています。
ということで、先日発売されたタキシードの3枚目のアルバム『Tuxedo III』を、ご紹介しましょう。今作も素晴らしい出来栄えで、過去のアルバムとくらべて、完成度は最も高いように思いました。懐かしさを織り込んだ軽快なダンス・ポップが満載で、聴いていて楽しかったです。今回は多くのゲストを招いているのが特徴ですが、タキシードらしさに大きな変化はなく、最初から最後までおなじみのサウンドが展開されていました。多彩なゲストのおかげでヴォーカルのヴァリエーションが増えたことで、より楽しくなったように感じました。
アルバムの1曲目の”The Tuxedo Way”は、ファンキーで踊りやすい、タキシードらしいオープニングナンバーです。ミュージックビデオの雰囲気も”Do It”に似てダンスシーンがかっこいいので、ぜひご覧になってみてください。
80年代ソウルを強烈に思い出させてくれるのが、4曲目の”Dreaming ㏌ the Daytime”です。これを聴いた後は、ジャム&ルイスがプロデュースしたS.O.S.バンドを無性に聴きたくなりました。
そして、”Toast 2 Us”というメロウ・ナンバーも好曲で、おすすめです。これは、アイズレー・ブラザーズの名曲”Between the Sheets”をサンプリングしています。タキシードは、70年代や80年代的な要素をたくさん取り入れていますが、おおっぴらにせず、さりげなくやるところが、スマートで知的な感じがして、いいんですよね。また、この曲はミュージックビデオに注目です。過去の名盤のジャケットを、ユーモラスに再現しているのです。みなさんは、いくつわかりますか?
私はこれをみて、「うわコステロめっちゃ似てる」「アウトキャストは無理があるやろ」「このドナルド・フェイゲン、なんかしんどそうやな」と、すごく楽しませてもらいました。タキシードって、その音楽もさることながら、 メイヤー・ホーソーンとジェイク・ワンの 「ちょっとダサ可愛くてユーモラスなおじさん2人組」というキャラも、人気の秘密になっているような気がしました。
この他にも、タキシードの紅一点ヴォーカリスト、ギャヴィン・トゥーレックが歌う”Close”も、華やか&キュートで良かったです。タキシードのニューアルバム『Tuxedo III』をぜひ聴いてみてください。11月には来日公演も行われるそうなので、行かれる方は楽しんできてくださいね!