ミュージック・マガジン選「R&Bアルバム・ベスト100」



こんにちは。

歴史のある音楽雑誌といえば、「ミュージック・マガジン」です。2019年10月号では、R&Bのベストアルバムを100枚選び、ランキング形式で紹介するという壮大な特集が組まれていました。これは読むしかないと思い、早速買ってきました。

このランキングの対象になっているのは、1988年から2018年までの30年間に発売された洋楽R&B作品ということです。評論家の皆さんがそれぞれ30枚を選び、それを編集部で集計してランキングしたとのことでした。それでは、上位10作品をご紹介しましょう。

第1位 TLC 『CrazySexyCool』 1994
第2位 ディアンジェロ 『Voodoo』 2000
第3位 エリカ・バドゥ 『Baduim』 1997
第4位 ローリン・ヒル 『The Miseducation Of Lauryn Hill』1998
第5位 ディアンジェロ 『Brown Sugar』 1995
第6位 メアリー・J・ブライジ 『What’s The 411?』 1992
第7位 トニ・トニ・トニ 『Sons Of Soul』 1993
第8位  アリシア・キーズ 『The Diary Of Alicia Keys』 2003
第9位 マックスウェル 『Maxwell’s Urban Hang Suite』 1996
第10位 シャーデー 『Love Deluxe』 1992

…と、このようになっていました。やはり、「黄金期」と言われる90年代の作品が多いですね。全体的に、シンガーソングライター系の人が多い印象ですが、それを抑えて第一位に輝いたのはTLCの『CrazySexyCool』でした。このへんが、R&Bというジャンルの間口の広さを表していて、面白いと思いました。選ばれたアルバムは、どれも納得のいく好作品でしたが、シャーデーが選ばれているあたり、通好みのランキングかな、という気がしました。

第1位のTLCの『CrazySexyCool』は、プロデューサー陣がよい仕事をした結果、クオリティの高い楽曲が集まった素晴らしいアルバムでした。新しいサウンドではあっても、先端を行きすぎず、着地点がちょうどよかったことが成功につながったのかな、と思います。TLCの歌自体は、多少ふらついてはいたけれども、デビュー作より増大した3人のオーラはそれをものともせず、聴衆を魅了しました。評論家の評価も高く、商業的にも成功した、まさにR&Bの名盤といえる作品だと思います。今回はそのなかから、プリンスのカバーの”If i was your girlfriend”をご紹介します。

そして、このランキングでは、ディアンジェロが2作品ランクインしています。どちらも素晴らしいアルバムですが、雰囲気が微妙に違うため、票が割れたのかなと思います。個人的な見解ですが、ベテランリスナーは『Brown Sugar』のほうを、そして若いリスナーは『Voodoo』のほうを好んでいるような気がします。まあ、一概には言えませんが。私はキャリアだけは長いR&Bファンですが、ディアンジェロほど評価の難しいアーティストはいないと思っています。評価を確定させるためにも、もっと新作を聴きたいのですが、出ないんですよね、これが…。ディアンジェロには素晴らしいカバー曲がいくつかありますが、そのなかでも私のお気に入りである、ロバータ・フラックの”Feel Like Makin’ Love”のカバーをご紹介します。

今回、1位から100位までのランキングをみていて、私が聴いたことのない新しい作品が結構あることに気づきました。 R&Bのアルバムって、本当にたくさんあるんですね。このランキングを参考にして、新しい作品も少しずつ聴いていきたいと思います。

  

   

スポンサーリンク