あみのR&B日記 「阪神タイガース」
今年のプロ野球のセ・リーグは、阪神タイガースが18年ぶりに優勝を飾りました。タイガースはクライマックスシリーズも勝ち抜け、あとは日本シリーズを残すのみとなっています。対戦するパ・リーグのチームは、オリックスバファローズです。関西のチーム同士の対戦になるので、日本シリーズが始まれば地元はかなり盛り上がるでしょう。
私は今でこそタイガースファンとして日々過ごしていますが、小学生のころは巨人ファンの父の影響で巨人を応援していました。ちょうど王選手が756号ホームラン(当時の世界記録)を打ったころです。記念に作られた下敷き(一本足打法で打席に立つ王選手が写ったもの)を新聞屋さんにもらい、それを持って登校していました。
それからしばらくして、川崎に本拠地を置いていた大洋ホエールズが地元横浜に引っ越してくることになりました。「横浜にプロ野球の球団がやってくる!」と周囲は大いに盛り上がり、私もその流れにのって今度は横浜大洋ホエールズ(現DeNA)を応援するようになりました。
中学入学以降は部活に遊びにと忙しくなったのでプロ野球からは遠ざかっていましたが、90年代に入って大阪に移住すると、その距離はまた近づきました。というのは、大阪ではテレビをつけてもラジオをつけても、阪神タイガースの話ばかりやっていたからです。
これほど話題になるからにはさぞかし強いチームなのだろうと思いきや、当時のタイガースは暗黒時代の真っただなかで、試合に負けてばかりいました。関東人の私なら、応援しているチームがこんなていたらくでは「もう顔も見たくない!」と愛想を尽かし、話題にするのも避けたことでしょう。
ところが関西のタイガースファンは違いました。「ピッチャー打たれる、バッター打てない」とさんざん嘆いたあとで、決まって最後は「せやけど好きやでタイガース、応援するで〜!」で終わるのです。ダメなチームでも見捨てない。その懐の深さというか愛情の深さに私は一種のカルチャーショックを受け、ちょっと感動すらしました。そしてこう思ったのです。「大阪で暮らすのなら、みんなと一緒になってタイガースに一喜一憂したほうが楽しい毎日を送れるかもしれないな。」と。それから私はタイガースの試合を見て応援するようになり、いつの間にか、れっきとしたタイガースファンになっていたのです。
今はタイガースの試合をテレビで観るのが楽しみです。もちろん試合の流れに注目していますが、ユニークな応援メッセージが書かれたボードを掲げるファンの皆さんを見るのも楽しいです。今の世の中、ネットのニュースを読んでいると「世代間格差」とか「世代間の対立」といった言葉が目に入り、ため息をつくことがあります。しかしタイガースが試合をする球場では、子どもからお年寄りまでの幅広い世代が、仲良くひとつになってタイガースを応援しています。その光景を見て気持ちが安らぐとともに、「世代間の架け橋になっているタイガースってすごいなあ。」と思うのでした。
皆さんが応援しているものはなんですか?
ということで今回お届けする曲は、フィリス・ハイマン(Phyllis Hyman)の ”Riding The Tiger” です。83年のアルバム『Goddess Of Love』に収録されています。フィリスといえば、”Betcha By Golly Wow” のしっとりした歌唱が高く評価されていますが、”Riding The Tiger” でのワイルドな身のこなしもかっこいいですね。
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