あみのR&B日記 「ビールかけ」



2023年のプロ野球日本シリーズは、オリックス対阪神という59年ぶりの関西対決になりました。激戦の結果、阪神がオリックスを破り、悲願の日本一(38年ぶり)に輝きました。

阪神は日本一を決めた試合後に、恒例のビールかけを行いました。私は、ビールはおいしく飲んでこそ楽しいもので、あの独特の匂いのする液体を頭からかぶってもあまりいい気はしないだろう、と思うのです。が、苦しい戦いの末に栄光をつかんだ人たちは、飲むためのビールを体中に浴びたくなるくらい喜びに満ちあふれている、ということでしょうね。

調べてみると、ビールかけが最初に行われたのは、1959年だそうです。南海ホークスが日本シリーズを制して日本一になったとき、祝勝会場となった旅館の大広間で事件は起きました(笑)。アメリカでプレー経験のあった選手がアメリカのシャンパンファイト(シャンパンをかけ合って勝利を喜ぶイベント)をマネして他の選手にビールをかけたそうです。これをきっかけに選手がお互いにビールをかけ合い、大変盛り上がったのだとか。この様子はマスコミにも取り上げられ、話題になったそうです。

ビールかけは一夜のアクシデントで終わりませんでした。この騒動の後、優勝を決めた後のイベントとして各球団が行うようになったのです。ビールかけが60年以上も続いているのには、いろいろ理由があるのでしょうけど、単純に「ビールのかけっこをするとめっちゃ楽しい」からなのだろうなあ、と私は想像しています。

ビールかけに使われるビールの本数は、球団によって差はあるみたいですが、だいたい大瓶3000本ほどだそうです。この大量のビールが20分たらずでなくなります。また、選手の体を冷やさないようにという配慮から、常温のビールが使われるとのこと。なので、顔にかかったビールが口の中に入っても、あまりおいしいとは感じないのかもしれません。

プロ野球では、サヨナラ勝ちを決めたバッターにペットボトルの水をかける ”ウォーターシャワー” というものもあります。これは比較的新しい習慣だと思いますが、今ではすっかり定着しています。暑い日の試合では、水をかけられる選手はとても気持ちよさそうに見えます。

プロ野球以外で「他人に何かをかけても怒られない」場面といえば、結婚式が思い浮かびます。新郎新婦に向けてお米を投げかける ”ライスシャワー” には、夫婦が子宝に恵まれて子孫繁栄しますように、という願いが込められているそうです。また新郎新婦に花を投げかける ”フラワーシャワー” には、花の香りで夫婦の厄災を祓う、という意味があるそうです。

人というのは、喜びいっぱいのおめでたい人に対して何かをかけずにはいられない性質を持っているのかもしれませんね。

ということで今回お届けする曲は、サーフィス(Surface)の ”Shower Me With Your Love” です。88年のアルバム『2nd Wave』に収録されています。ロマンチックでスイートなバラードで、これぞラブソングの金字塔!ぜひ聴いてみてください。

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