あみのR&B日記 「ジレ」
朝晩はだいぶ過ごしやすくなってきました。待ちかねた秋が、とうとうやってきたのです。この季節になると、「○○の秋」という言い方をよくしますよね。食欲の秋とかスポーツの秋、芸術の秋、読書の秋など。お洒落の秋、という言葉もよく耳にします。
私は自分自身はまったくお洒落ではありませんが、世間で流行している装いとはどんなものか少し興味があるので、時間のある時は洋服屋さんを見てまわったりしています。
このところ洋服屋さんで頻繁に目にするアイテム、それは ”ジレ” です。皆さん、ジレってご存知ですか?ジレとはフランス語で中衣という意味で、ジャケットの下に着るノースリーブで前開きの服のこと。要するにベストですね。ベストとジレの違いはというと、ベストはニット素材が多く、前開き以外に頭からかぶるタイプもあって、厚めで防寒性があるのに対して、ジレは薄い布製の前開きデザインで、防寒目的というより装飾のために身につけるアイテムだということです。
男性のスリーピーススーツ(いわゆる三つ揃え)のベスト、あれがジレというわけですね。といっても最近は三つ揃えを着た男性をみかけることは、ほとんどなくなりました。ビジネスでスーツを着る機会が多い方でも、三つ揃えをお持ちの方はあまり多くないのではないでしょうか。
三つ揃えが似合う男性でパッと頭に浮かぶのは、昭和時代に人気を博した刑事ドラマ『太陽にほえろ!』でボス役を演じた石原裕次郎さんです。ボスの三つ揃えは貫録があってかっこよかったです。このドラマは服装で刑事のキャラ付けをしていて、若手刑事はジーパンにスニーカーなど、動きやすくて犯人を追いかけやすい服装をしていました。お洒落な三つ揃えはボスの他に殿下(甘いマスクで女性に人気のあった刑事)も着ていたような気はしますが、庶民派おやっさん刑事のチョーさんは着ていなかったと記憶しています。
話をジレに戻しましょう。女性のファッションアイテムとしてのジレはジャケットの中に着るものというより、服の上からさっと羽織るものとして売られています。素材や丈の長さは様々で、凝ったデザインのものもあります。ジレは装飾が目的の服なのでそれ自体がお洒落ですし、着ると縦のラインが強調されてほっそり見える、という利点もあります。着やせ効果のあるジレはとても魅力的な服ですが、私は自分が着ようという気持ちにはなかなかなれないのです。なぜなら、ファッションセンスのない自分が袖なし前開きのジレを着ると「ちゃんちゃんこ」っぽくなってしまうのではないか、と心配になるから。なので私にとってジレは、お店で眺めて愉しむものなのです。
皆さんはジレを着てみたいと思いますか?それとも、もう着ていらっしゃいますか?
ということで今回お届けする音楽は、ネリー(Nelly)とケリー・ローランド(kelly Rowland)のコラボ曲 ”ジレンマ(Dilemma)” です。2002年に発売されるや、ロマンチックな雰囲気が人気を集めて大ヒットとなりました。ちなみにこの曲は、女性ソウルシンガーのレジェンド、パティ・ラベル(Patti LaBelle) の ”Love,Need and Want You” をサンプリングしています (ジレンマのミュージックビデオにはケリーの母親役でパティも出演)。ネリーは歌うように節をつけてラップをするラッパー/シンガーですが、彼のようなラップシンギングは今やR&Bではお馴染みのヴォーカルスタイルになりました。
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