あみのR&B日記 「アイシャドウ」
先日、フォーマルな会合に出席する機会がありました。着ていく服はいつもより良いものを用意して、さて化粧はどうしよう?ということになりました。
私は普段人に会うときは普通に化粧をしますが、色はベージュ系で地味な感じにしています。そして一人でそこらへんに出かける時は、日焼け止めクリームにパウダーはたいてリップクリームを塗っておしまいという、手抜きメイクを施して外に出るのです。
年齢を重ねるといろいろなことが億劫になってきますが、化粧をするのが面倒だな、と思うこともあります。こう思うのは私だけではないようで、中高年女性向けの化粧品ブランドには化粧が面倒な人のために “オールインワン” といわれる商品が用意されています。これは例えば、化粧水、乳液、美容液、日焼け止め、化粧下地、ファンデーション、の6本分の成分が1本にまとめられた化粧品などです。6本使うところを1本ですむなんて、ラクで便利!…と思いますが、疑り深い私は「6本のうちの1〜2本は省かれているのではないか」と考えてしまうので、オールインワン化粧品を買ったことはありません。
男性からは「女性は化粧が面倒だというが、男の毎日の髭剃りも相当面倒くさい」と聞きます。確かにそうでしょうね。メジャーリーグの試合を観ていると、たまにサンタクロースのような立派な髭をはやした選手を見かけますが、あれも伸ばしっぱなしでほったららかしているわけではなく、きちんと手入れがなされているのでしょう。髭というものは剃るにしても伸ばすにしても、手間のかかるものなんだろうなあ、と思いました。
話を元に戻しましょう。フォーマルな場に出るなら化粧も少し華やかにしたほうがいいと思った私は、新しい化粧品を買いにドラッグストアに出かけました。近頃のドラッグストアは薬屋というより化粧品屋といったほうがいいくらい、様々な化粧品がたくさん置いてあります。私はそのなかから、お手頃価格のアイシャドウに注目しました。
アイシャドウは「化粧した」感が強く出るアイテムだと思います。はるか昔の娘時代に、沢口靖子さんがCMに出ていたカネボウのアイシャドウを買ったことがあります。”かぐや姫”のキャッチコピーがついたその商品は、バブリーな世相を反映してピンクや水色など明るい色が混じり合った色鉛筆みたいなものでした。それをまぶたにのせると顔の印象がすっかり変わって、我ながらびっくりした記憶があります。その経験もあって、華やかな顔面にするにはアイシャドウを明るいものにしなくては、と思ったのです。
まず、落ち着いたピンク系のアイシャドウを買って帰り、家でつけてみました。可愛い感じになって悪くはないのですが、上品なパープルもいいかもしれない、と思って今度はそれを買いに。つけてみるとパープルも綺麗な色ではあったけれど、オレンジなんてのも顔が明るくなっていいかも…。こんな感じで値段が安いのをいいことに、半ば遊び気分で買っては試し、買っては試しを繰り返しているうちに、化粧ポーチの中はアイシャドウだらけになってしまいました。
これらのアイシャドウのなかから、どれをつければいいのかわからなくなった私は、ネットの情報に助けを求めました。すると「大人の女性は濃い化粧をすると老けて見えるので注意しましょう」と書いてあったのです。心にグサリとくる「老けて見える」という言葉…。結局私は、ベージュブラウンというナチュラルこの上ないアイシャドウを目の上に塗って、フォーマルな会合に出かけたのでした。
それでは音楽にまいりましょう。個性的なアイメイクと言えばこの人、エイミー・ワインハウス (Amy Winehouse)さんです。2008年にグラミー賞最優秀楽曲賞を受賞した “Rehab” をお聴きください。
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