エリック・ベネイの新作は、懐かしのカバーアルバム
エリック・ベネイ(Eric Benet)が、
カバーアルバム”From E to U‐Volume 1″を発売しました。
その選曲をみて、「おや?」と思った私。
彼がデビューしたのは90年代の中頃だったので、
てっきり私より若い世代の人と思っていましたが、
この選曲を見ると、同世代のような気がするのです。
調べてみたら、彼は1966年生まれ。
やっぱり、私と同世代(日本でいえばバブル世代)でした。
このカバーアルバムに収められた曲は、70年代後半から80年代にかけて
ヒットチャートを賑わせた曲です。
私たち世代が青春を謳歌し、一番音楽に親しんでいたときに
大流行し、街角に流れていた曲。
R&Bに、ポップスやロックまで、
いやもう、懐かしいという以外に、言葉がみつかりません。
それでは、収録曲をみていきましょう。
1 Africa
人気バンド・TOTOの「アフリカ」です。
エリック・ベネイにTOTOといえば、ピンとくる人も多いでしょう。
エリックの傑作アルバム”A Day In the Life”に、TOTOの「ジョージー・ポージー」の
カバーがありましたよね。フェイス・エヴァンスと共演した名カバーでした。
これが好評だったので、今回、TOTOの曲を一曲目にもってきたのかもしれません。
私は、ロックのアルバムはあまり持っていませんが、TOTOは好きなので、持っています。
「99」とか、いいですよねー。
2 Ride Like the Wind
クリストファー・クロスの「風立ちぬ」です。
粋な邦題をつけたもんですねぇ。
これが流行った当時、美しいハイトーンヴォイスを聴きながら
「これを歌っている人は、どんな人なんだろう。」と
フラミンゴのジャケットを眺めつつ、想像しました。
後日、クリストファー本人の姿をみて軽く衝撃を受けた私でしたが、
同様の人は少なくなかったと思います。
エリックのカバーは、ちょっとハウス風のアレンジで
若干チープな印象が無きにしもあらずですが、
オリジナルがいい曲なので、よしとしましょう。
3 Almost Paradise
王道すぎる、バラードです。
皆さん覚えていますか?これは映画「フットルース」の
サントラ盤の「パラダイス…愛のテーマ」です。
エリックと一緒に歌っているAileeの歌声が
オリジナルにそっくりで、一層、懐かしさが強まります。
フットルースって、もしかしたら私、映画をみていないかも
しれません。内容が、よく思い出せないのです。
しかし、サントラ盤のほうは、よく覚えています。
ヒット曲がぎっしりつまった、サントラ史上に残る名盤でしたから。
ケニー・ロギンスのテーマ曲をはじめ、
ボニー・タイラー、ジョン・メレンキャンプ、フォリナー。
℟&Bでいえば、デニース・ウイリアムスやシャラマーなどが入った
超豪華なサントラ盤でした。
4 After the Love Has Gone
アース・ウインド&ファイアーの、有名なバラードです。
エリック・ベネイのバージョンは、ジャズ風にアレンジして、
新鮮味を出しています。
5 What A Fool Believes
エリック・ベネイはデビューしてから今まで、
様々な曲を届けてくれましたが、私は、初期の”I’ll Be There”や
最新作の”Harriett Jones”などのアーバンメロウなタイプの曲を支持し、
愛聴してきました。そんな私にピタッとハマったのが、
この”What A Fool Believes”です。エリックらしい、アーバンメロウな
雰囲気が漂う、良い選曲だと思いました。
オリジナルは、ドゥービー・ブラザーズの、超有名曲。
マイケル・マクドナルドの味のあるヴォーカルが、忘れられません。
6 More Than Words
エクストリームの、アコースティックの名曲。
こういうのをサラリと入れるあたり、センスがいいと思います。
7 Do You Really Want to Hurt Me
すごいのが出てきました。
カルチャークラブの「君は完璧さ」です。
ヴォーカルのボーイジョージの個性が強いため
イロモノポップバンドと思われがちですが、
この”Do You Really Want to Hurt Me”は音楽性が高い、とエリックも認めたのでしょう。
実は私、80年代当時、カルチャークラブのデビューアルバムを
買いました。CDではありません。LPレコードでした。
ジャケ写一面のボーイジョージのアップをみて、
「こんなにきれいな人が、男だなんて…」と、しみじみ思ったものです。
あの頃はカルチャークラブ以外にも、イギリス産のグループがたくさん
チャートを賑わせていましたね。懐かしいなあ。
8 Every Time You Go Away
これもイギリスのアーティスト、ポール・ヤングのナンバーです。
ブルーアイドソウルといえばこの人、というくらい、
ソウルフルな歌を聴かせてくれるシンガーでした。
ポールが古き良きソウルをカバーしたアルバムがありましたが、
あれも良かったですねぇ。
9 Open Arms
80年代を代表するロックバンド、ジャーニーの
壮大なバラードです。ヴォーカルのスティーブ・ペリーは
同じロックシンガーのデイヴ・リー・ロスなどと比べると
見た目は地味でしたが、歌はめちゃくちゃ上手かったです。
この”Open Arms”も、サビの高音部をきれいに歌っていましたね。
10 Sara Smile
日本でもとても人気のあるデュオ、ホール&オーツの
「サラ・スマイル」です。この曲、大好きなので、
取り上げてくれたエリックに感謝しています。
私が高校生のとき、ホール&オーツの「プライベート・アイズ」が
大ヒットしました。もちろん私も好きでしたが、
その頃ラジオのホール&オーツ特集で聴いた彼らの初期のヒット曲、
「サラ・スマイル」や「シーズ・ゴーン」や「リッチ・ガール」に
魅せられてしまいました。今でも、たまに聴いています。
エリック・ベネイも、ホール&オーツが好きだったんだろうなあ。
10 Through the Fire
チャカ・カーンが80年代にヒットさせた、バラードです。
バラードが続きますね。エリック・ベネイは歌が上手なので、
こういう歌い上げ系の曲を、やりたくなるのでしょう。
チャカの、情熱メラメラのオリジナルも良いですが、
エリックの、落ち着いたバージョンも、いい感じでした。
以上、エリック・ベネイの新作”From E to U‐Volume 1″でした。
Volume 1とあるところをみると、Volume 2も準備しているのかもしれません。
次回は、私の好きなレヴェル42の「サムシング・アバウト・ユー」や、
ピーター・ガブリエルの「スレッジハンマー」などを
やってもらえると、嬉しいです!
Culture Club – Do You Really Want To Hurt Me