ジョニー・ギル新作”Game Changer”

ベテランR&B歌手のジョニー・ギル(Johnny Gill)が
ニューアルバム”Game Changer”を発売しました。

前作から、それほど時間はかかりませんでした。
以前は、なかなかアルバムを出さなかったジョニーですが、
最近は、音楽活動に積極的に取り組んでいるようで、
喜ばしいことです。

では、”Game Changer”を聴いてみましょう。

前半は、2010年代の大人のR&Bといった感じの曲が並びます。
レーベルでいうと、Shanachieが出しているような曲ですね。
スムースかつ、落ち着きがあって、
歌もしっかり味わうことができます。
ニュー・エディションとの共演曲である
“Your Body”などが聴きどころでしょう。

中盤は、ソウルフルな曲がじっくり聴けるゾーン。
“Game Changer”は、私がアルバム中で一番気に入っている曲です。
ジョニー・ギルは、ニュー・エディションに加入した80年代の終わり頃、
まだ若いのに「声は中年」と評されていました。
歌声が、とてもシブかったのです。
その彼も、現在は本物の中年になり、貫録がついてきたので
“Game Changer”のような、オーソドックスなソウルが
似合うようになったと思います。
圧巻のヴォーカルが、素晴らしかったです。

後半になると、90年代R&B風の曲が登場してきます。
「あーこれ、ジョーだっけ、ケイスだっけ…」
と、思わず記憶の糸をたどってしまう”5000 Miles”などは、
懐かしい感じがしました。

11曲目の”Can’t Keep My Hands Off You”を聴いたとき、
「ん?」と思ったのです。
今までと、雰囲気がちょっと変ったかな、と。

新しい時代のR&Bを意識しているように思える曲でした。
そしてラストの”Guinevere”で、私は腰を抜かしそうになりました。
なんとそれは、EDM風の派手なアップナンバーだったのです。
「最後の最後で、そりゃないよ~。」と、
ガックリ膝をつく私。
まあ、ジョニー・ギルも老け込むには早い年齢ですし、
まだまだ若者向きR&Bも歌えるところを
みせたい気持ちは、わかるんです。
そういう場合は、「イタい若作り」にならないように
工夫することが大事だと思いました。
私はアルバムの流れを重視するタイプなので、
“Guinevere”みたいな曲は、リミックスなど、
アルバムとは別バージョンで出してほしかった、と
正直思いました。

というわけで、ジョニー・ギルのアルバム”Game Changer”は
最後にサプライズ(?)はあったにせよ、
おおむね良好な作品だと思いました。
R&B好きな方は、ぜひチェックしてみてください。