映画『マイケル』



A子「ふー、この夏も暑かったわねえ。」
あみ「毎年のこととはいえ、やっぱりこの暑さは堪えるわね。夏休みはクーラーの効いた部屋にずっとこもってたわよ。出かけたのはマイケルの映画を観に行ったときぐらいね。」
A子「ああ、あれ世界中で大ヒットしてるんだってね。どうだった?」
あみ「よかったわよ。たぶんあの映画は、私たちみたいな『スリラー』の大ヒットをリアルタイムで経験してマイケルに夢中になった世代には楽しめると思う。でも、アメリカの批評家には酷評されたらしいのよ。」
A子「そうなの。」

あみ「この映画、ジャクソン5の下積み時代からバッドのツアーに出るまでのマイケルの半生を描いているんだけど、なんか全体的に淡々とした印象を受けるのよね。マイケルって、いいにつけ悪いにつけドラマチックな人生を歩んだ人だから、どんな伝記映画ができるんだろうってみんな期待してたと思うんだけど、関係各所に配慮した結果、踏み込んだ描写ができなかったみたいで…。そこが批評家には物足りなく感じたのかもしれない。」
A子「ふうん。」
あみ「映画の内容に不満があって出演シーンをOKしなかった人もいたらしくて、ジャネットも出てこないし、マイケルの人生に大きな影響を及ぼしたといわれるダイアナ・ロスも出てこないのよ!そんなところも、この映画の残念な部分ではあったと思う。」
A子「なるほど。」

あみ「でも、見どころがないわけじゃないのよ。仕事のせいで子どもらしい子ども時代を送れなかったマイケルが、成長してからその穴を埋めるように動物園にいるような動物を飼ったり、おもちゃを爆買いしたりするシーンは少し哀しくてせつなくなるし、容姿にコンプレックスを持ってたりとか、高圧的な親から自立しようと葛藤するところなんかは、若い世代の共感を得るかもしれないわね。」
A子「うんうん。」
あみ「それから、マイケルの音楽や映像の作家としての才能にスポットを当てたところもよかったと思う。映画にも登場するプロデューサーのクインシー・ジョーンズとマイケルは『オフ・ザ・ウォール』『スリラー』『バッド』という3枚のアルバムを共作してるんだけど、だんだんクインシーの関与比率が下がっていって、『バッド』はほぼマイケル作っていわれているのよ。この映画を観ると、『バッド』がマイケルにとって転機になった重要な作品だということが改めてよくわかるの。」

A子「それで、あのマイケルを演じた子、どうだった?マイケルに似てた?」
あみ「ジャファー・ジャクソンね。彼はマイケルの兄のジャーメイン・ジャクソンの息子だから、マイケルの甥にあたるのよ。マイケルになりきろうと努力しているところが伝わってきて、好感の持てる演技だったわ。特に最後のバッドを歌うシーンは、マイケルが乗り移ったんじゃないかと思うくらい、迫力があって素晴らしかったわよ。」

あみ「私ね、この映画を ‟音質のいいスクリーン‟ で観たのよ、割増料金を払って。これが大正解だったわ!本編が終わってエンドロールが始まって、一番最後に”Don’t Stop ‘Til You Get Enough”    が流れてきたんだけど、それを大音量で聴いてたらなんか感動しちゃって。映画が終わったときには『マイケル、最高!!』という感想しかなかったわ(笑)。」

A子「終わり良ければすべて良し、ね(笑)。」

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