モータウン60周年記念アルバム『MOTOWN60』発売



こんにちは。

ソウル/R&B 界で最も有名なレコード会社『モータウン』が誕生して、今年で60年になるのだそうです。それを記念して、60年間のモータウン・サウンドをCD3枚にまとめたコンピレーションアルバム『MOTOWN60』が発売されました。

モータウン・サウンドといえば、お馴染みの「タッタッター、タッタッタター」というリズムが頭に浮かびます。その軽快なリズムに乗って次々とヒット曲が生まれたのが、1960年代でした。シュープリームスやテンプテーションズなどの人気グループが活躍した当時の勢いは本当にすごかったので、モータウンといえば60年代、というイメージを持つ方が多いと思います。ですが、忘れてはならないのは、モータウン・サウンドは60年代だけではない、ということです。それ以降も、モータウン・レーベルは紆余曲折ありながら存続し、現在もかつてのような大量生産こそしていないものの、良質な音楽を発信し続けているのです。

『MOTOWN60』 は、そんなモータウンの歴史がよくわかる、優れたアルバムです。3枚組で、ディスク1は1959年から1971年、ディスク2は1972年から1984年、ディスク3は1988年から2018年と、発表された年代順に曲がまとめられています。黄金の60年代に偏ることなく、バランスのとれた構成です。ディスク1から順に聴いていくと、モータウン=R&B の移り変わりを実感することができて、すごく楽しいです。特にディスク2の後半ぐらいからは、自分の記憶もあるので、当時の状況などを懐かしく思い出しながら聴いていました。

それにしても、このアルバムの選曲は見事です。60年分をまとめるという荒技であるにもかかわらず、アルバム全曲通して聴いても違和感がないし、何回聴いても飽きがこないことに感心しました。すごくよく考えられていると思いました。例えば女性デュオのジャネイの場合、彼女たちの最大のヒット曲は”Hey,Mr.DJ”ですが、あえてそれを使わず”Groove Thang”を使うところなどに、選曲の技を感じました。

ということで、各ディスクごとに、私が特に気に入っている曲を
ご紹介します。ディスク1では オリジナルズの”Baby,I’m For Real”です。とてもロマンチックなバラードで、メロディーの美しさに聴き惚れてしまいます。87年のシェリックのアルバムでこの曲がカバーされていましたが、そちらも素晴らしかったのを思い出しました。ディスク2ではコモドアーズの”Brick House” です。コモドアーズはバラードが良いですが、ダンスナンバーも好曲が多いですね。この曲はクールなブギーで、思わず腰がうねります。ディスク3ではレミー・シャンドの”Rocksteady”です。知る人ぞ知る白人ソウルシンガーのこの曲は、本当に素晴らしいです。大ヒットしたナンバーではありませんが、モータウンの代表曲に選ばれたことを嬉しく思いました。

『MOTOWN60』 は一家に一枚、永久保存をおすすめするアルバムです。林剛氏による資料的価値の高い充実した解説もついています。ぜひ聴いてみてください!            

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