モータウン名盤シリーズ③シリータ”ONE TO ONE”



朝晩はぐっと涼しくなり、虫の声などもきこえるようになった
この頃、「もう秋なのねー」と思いながら、
このアルバムを聴いています。

シリータ(Syreeta) ”ONE TO ONE”

これは、「モータウンの名盤が千円で買えちゃう」シリーズの
一枚で(その後、消費税が上がったため、千円では買えなくなりました…)
秋の初めににぴったりな、爽やかな作品です。

シリータの歌声が、とてもかわいらしくて、素敵です。
ただかわいいだけじゃなく、しっかりした歌唱力もある。
昔は、こういうタイプの女性シンガーが結構いました。
ミニー・リパートン(Minnie Riperton)とか、
デニース・ウイリアムス(Deniece Williams)とか、
シェレール(Cherrelle)とか。
最近のR&Bの女性シンガーは、
歌唱力はあるけれど、迫力ありすぎてちょっと怖いタイプか、
可愛い声だけれど、歌のほうはちょっと頼りないタイプに
分かれてしまうような気がします。
もっと、シリータみたいな、可愛くて歌えるシンガーが
でてくるといいのにな、と思います。

さて、このアルバムをプロデュースしているのは、リオン・ウェア(Leon Ware)です。
彼はマービン・ゲイ(Marvin Gaye)の”I WANT YOU”の世界を作った人で、
ソフトでやるせなく、妖しげな雰囲気を醸し出す達人です。
私も一時期、リオン・ワールドにハマり、
彼の作品を買いまくったことがありました。
あの甘美な世界を知ってしまうと、なかなか抜けられないんですよね…。

シリータのこのアルバムは、明るくて爽やかな印象ですが
時に妖しい部分もかいま見られ、
さすがはリオン・ウェアのプロデュース、と思いました。
ただ一曲だけ、スティービー・ワンダー(Stevie Wonder)のプロデュース曲があり、
これが他の曲と雰囲気が全く違っていて、健康的です。
聴き比べてみると、おもしろいでしょう。

シリータ”ONE TO ONE”は、センスのよい、素敵なアルバムです。
ぜひ、お聴きになってみてください。

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