マイケル・ジャクソンMichael Jackson”Xscape”(Deluxe Edition)
マイケル・ジャクソンMichael Jacksonの
ニューアルバム”Xscape”(Deluxe Edition)を聴きました。
これは、前半にマイケルの未発表曲を現代化したものをまとめ、
後半はそのオリジナルを並べ、最後は2014年に実現した
ジャスティン・ティンバーレイクJustin Timberlakeとのデュエットで
しめくくられています。
私はこのアルバムを聴き、とても良い作品だと思いました。
その理由は、次の通りです。
1.未発表曲そのものが、良い曲だった
未発表曲というのは、平たく言えば「ボツになった曲」です。
ですから、曲の出来に関しては、正直、あまり期待していませんでした。
ところが、オリジナルの数々を聴いてみると、
未完成だな、と思う部分はあるにせよ、一定のレベルは維持している
曲ばかりだったのです。
取り上げられたのは8曲。
これは、アルバムを作る上での最低数だと思います。
聞くところによると、多くの未発表曲を絞りに絞って
この数になったのだとか。
この「厳選」が、よい結果につながったのでしょう。
アルバムの目玉曲である”Love Never Felt So Good”は
マイケルとポール・アンカPaul Ankaとの共作なのだそうです。
ちょっと意外な組み合わせですが、ポップスのスーパースター同士が
出会って、良い曲が生まれたんですね。
どうして、こんな良い曲が今までお蔵入りだったのか、不思議です。
デラックス盤では、3パターンで楽しめる、この曲。
私は、ジャスティン・ティンバーレイクとの
デュエットバージョンが、一番気に入っています。
2.プロデューサー陣が、良い仕事をした
アルバムの大半の曲の現代化を手がけたのが、
人気プロデューサー・ティンバランドTimbalandです。
ティンバランドのプロデュース作が世に出るようになったのは、
90年代の終わりごろだったでしょうか。
その斬新なビートは、あっという間にR&B界に広がり、
彼は一躍「時の人」となりました。
私は、古い体質のリスナーなので、それに馴染むことができず、
ティンバランドと名のついたものは、避けて通ってきたのです。
ところが昨年、彼がプロデュースしたジャスティン・ティンバーレイクの
“Suit & Tie”がとても気に入り、ティンバランド作品でも、
私が聴けるものがあるということを、知ったのでした。
今回のマイケルのアルバムにおいて、
ティンバランドは、とても良い仕事をしたと思います。
彼ならではの大胆な味付けで、現代のR&Bに仕立て直したのですが、
マイケルらしさを尊重し、聴きやすい仕上がりになっているのです。
これなら、古くからのマイケルファンは
「マイケルが生きていたら、こんな新曲を出したかもなあ…」
と、受け入れることでしょう。
また、マイケルの全盛期を知らない若い人たちには
マイケルを身近に感じてもらえるのでは、と思います。
アルバムのタイトル曲”Xscape”は
ロドニー・ジャーキンスRodney Jerkinsがプロデュースしました。
実はこの曲、オリジナルも彼がプロデュースしていたのですが、
新しい2014年版のほうが、ずっと良くなっています。
音に勢いが出て、流れも良くなりましたし、
全体的に豪華な感じに生まれ変わりました。
絶対にいいものを作る、というロドニー・ジャーキンスの
決意が伝わる、名プロデュースでした。
アルバムのなかで、私が一番よく聴いている曲です。
というわけで、マイケル・ジャクソンのニューアルバム
“Xscape”は、年代を問わず、すべてのポップスファンに
楽しんでいただける好作品だと思いました。
さて、今回ご紹介するミュージックビデオですが、
マイケルの最新のライブ映像をご用意しました。
ホログラムでよみがえった彼が、ステージで「新曲」を歌い、踊ります。
私はこれを観たとき、なんともいえない妙な感じがしたのですが、
みなさんはどう思われるでしょうか。
Michael Jackson – Slave To The Rhythm
Michael Jackson, Justin Timberlake – Love Never Felt So Good
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