ベテランの味わい アンジー・ストーン『Full Circle』



こんにちは。

人気・実力ともに安定している女性R&Bシンガーといえば、アンジー・ストーン(Angie Stone)です。彼女はキャリアの初期にはラッパーとして活動していたそうです(今ではちょっと信じられないですが)。その後ヴォーカルグループを経て、99年にアルバム”Black Diamond”で、ソロデビューしました。当時は、プライベートでもつきあいのあったディアンジェロと音楽性が似ていたことから、「女ディアンジェロ」などと呼ぶ人もいましたね。

私がアンジーのアルバムで一番好きなのは、2001年に出たセカンドアルバムの”Mahogany Soul”です。70年代ソウルのエッセンスをふんだんに取り込みながら、2000年代R&Bとしての新しさも感じさせる素晴らしい内容でした。そこに収録されている”Wish I Didn’t Miss You”は、オージェイズの「裏切者のテーマ」をモチーフにしていて、アイデアといい、アンジーのソウルフルなヴォーカルといい、 2000年代R&B を代表する名曲だと思います。

また、アンジーは様々なアーティストとデュエットしていて、そのなかにもいい曲が多いんですよね。彼女の歌声は包容力があるので、個性の強いシンガーと デュエット しても歌が喧嘩せず、うまくまとまるのかなと思います。私が特に気に入っている のは、カルヴァン・リチャードソン(Calvin Richardson)と歌った”More Than A Woman”です( ”Mahogany Soul” 収録)。曲も歌も最高です!

さて、そのアンジー・ストーンのニューアルバム『Full Circle』が発売されたので、さっそく聴いてみました。プロデュースは前作と同じウォルター・ミルサップ三世が担当しており、前作同様、ソウルフルなR&B アルバムに仕上がっています。落ち着いたミディアム中心で、じっくり聴ける大人のR&B作品です。なかでも前半に収録された”Perfect”や”Dinosaur”は、アンジーの中音域の歌唱が味わい深いアーバン・ソウルで、良い曲だと思いました。彼女もすっかりベテランになり、さすがに以前とは声の出も変わってきていますが、バックコーラスのアレンジなどで、そのあたりはうまくカバーされています。というか、アンジーの場合は、年齢を重ねた歌声も魅力のひとつになっているような気がしました。

今作では、ジャヒーム(Jaheim)と”Gonna Have To Be You”という曲をデュエットしています。最近は デュエット といっても完全分業制みたいな曲が多いですが、こちらはふたりのハーモニーも楽しめる デュエット らしいナンバーです。やっぱり歌のうまい人同士の デュエット はいいものだなあ、としみじみと聴きました。そして、ジャヒームの新作もそろそろ聴きたいものだと思いました。

アンジー・ストーンのニューアルバム 『Full Circle』 。ぜひ聴いてみてください。

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