これが最後のアルバム TLC『TLC』



90年代のR&Bシーンでトップを走っていた
グループといえば、女性三人組のTLCでしょう。
CDはよく売れ、グラミーも獲得した「売れっ子」でした。

TLC以前の女性グループは、メンバー同士が
どこか似ていて、調和を大事にしているような
ところがありました。
しかしTLCのTボズ、レフトアイ、チリは、
ルックスも歌声もてんでばらばら。
レフトアイに至っては、歌わずにラップする、
というスタイルで、そんなところも
当時は新鮮に思えました。

しかし、ご存じのとおり、レフトアイの事故死のため、
メンバーは二人になってしまいました。
いろいろと大変だったと思いますが、
二人は活動を継続。
2013年にべストアルバム『20』を発売し、
それから4年後の今年、待望のオリジナルアルバム『TLC』が
発売されました。

早速、このニューアルバムを聴いてみましたが、
昔のTLCのイメージを壊さないように
丁寧に作られた好盤だと思いました。
明るくポップで親しみやすい
「これぞTLC!」な楽曲が、盛り込まれたアルバムでした。

私が一番気に入った曲は、シングルカットされた
“Way Back”です。
これは明るくポップなイメージとはちょっと違い、
濃いグルーヴが、大人っぽい印象を与える曲です。
TLCにしては珍しく「黒さ」を感じさせる曲で、
成熟したTLCの姿が、そこにはありました。
途中でスヌープ・ドッグのラップが入るのですが、
「これがレフトアイだったら…」と残念がった人は
私だけではないでしょう。

ハスキーで艶のあるTボズの歌と、
スリリングなチリの歌との掛け合いは、
一度聴いたら忘れられないほど、強い印象として残ります。
改めて、TLCは魅力的なヴォーカルグループ
だということを実感しました。

このニューアルバム『TLC』を
彼女達は「最後のアルバム」と位置付けています。
アルバム制作が無理ならライブだけでもいい、
元気な姿をいつまでも見せてほしい、
そんなふうに思うのでした。

TLC – Way Back

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