ケムの新作は、じっくり聴ける大人のR&B



アメリカではとても人気があるのに、
日本ではイマイチ、というアーティストを
応援するシリーズ。

今回ご紹介するのは、ケム(Kem)です。
私はよくネットでR&Bニュースを見ていますが、
「アメリカで、ケムが中心になってチャリティーイベントを開催」とか
「アメリカで、ケムのニューアルバムが好セールスを記録」などと
いう記事を読むと、日本と状況がずいぶん違うなあ、と思います。

ケムは、ジャズ的な要素も含む大人のR&Bを
地道に追及してきた人です。
歌声もやわらかく心地よいので、日本でも受けそうな
気がするのですが、なぜか日本盤は発売されていないようです。
私はケムの音楽が好きなので、日本でももっと
人気が出ればいいのになあ、と思っています。

今年、ケムは4枚目のアルバム
“Promise to Love: Deluxe Edition”
を発売しました。
これも、いつものように、静かで落ち着いたR&Bが
楽しめる好作品となっております。
柔らかな裏声と張りのある地声を巧みに使い分け、
歌の世界を繊細に表現するケム。
素晴らしいヴォーカルスキルだと思います。

曲も聴きやすいものが並んでいます。
一番気に入ったのは”Downtown”。
これは、ベテランラッパーのスヌープ・ドッグ(Snoop Dogg)の
ラップがいいアクセントになっている、
粋なミディアムナンバーです。おすすめです。

それから、ロナルド・アイズレー(Ronald Islay)とデュエットした
“My Favorite Thing”は、昨年のロナルドのアルバムにも
収録されていた曲です。
改めて聴いてみると、やはりいい曲ですね。

他の曲も、心にじんわりしみる良い曲ばかりなのですが
ひとつだけ、不思議な曲があります。
それは、最後に収録されたボーナストラックの”Don’t Say Goodbye”。
これを、ケムは歌っていません。
女性シンガーのL Reneeという人が
まるまる一曲歌っているのです。
ケムとL Reneeがどういう関係なのかわかりませんが、
「おすすめの新人です」というお披露目なのかもしれません。
しかし、アルバムの主とデュエットするのならまだしも、
主は紹介だけして、さっさと退くという今回のスタイルは
私は初めてで、びっくりしました。
でも、L Reneeは歌がうまいので、聴く価値はあると思います。

ケムのニューアルバム”Promise to Love: Deluxe Edition”、
興味のある方は聴いてみてください。

Kem – It’s You

Ronald Isley – My Favorite Thing ft. Kem

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