プリンスの思い出



あまりにも突然、この世を去ってしまったプリンス(Prince)。

彼は70年代後半から現在までの長きにわたって
アーティスト活動を続けてきましたが、
私が最も彼の音楽に親しんだのは、80年代でした。

アルバム『愛のペガサス』(79年)『ダーティーマインド』(80年)
『戦慄の貴公子』(81年)などを聴いたときは、
黒々としたファンクと、それにからむ妖しげなファルセットヴォイスに、
何ともいえないセクシーさ・カッコよさを感じました。

また、バンド・レボリューションとともに繰り広げられた
『パープルレイン』(84年)『アラウンド・ザ・ワールド・イン・ア・デイ』
(85年)などの、華やかで活力みなぎるサウンドにも、夢中になりました。

そんななか、今思い出すアルバムは
86年に発売された『パレード』
(Parade: Music From The Motion Picture Under The Cherry Moon)です。
なぜかというと、このアルバム発売後の来日公演を
私は観に行ったからなのです。

会場は、横浜スタジアムでした。
観客席に、白と黒の水玉模様の風船を据え付けるという、
風変わりな演出がなされていました。
一瞬ギョッとしましたが、プリンスらしいと思いました。
ステージが始まり、エネルギッシュな演奏に私は大感激したのですが、
彼が時折「トーキオー!」と叫ぶのが気になりました。
そのツアーでは東京公演がなかったので、
東京も横浜も、いっしょくたになっていたようでした。
ああ、懐かしいなあ!
今から30年も前の出来事です。

アルバム『パレード』からは“Kiss”という大ヒット曲が生まれました。
映画「プリティ・ウーマン」で、ジュリア・ロバーツが
泡風呂につかりながらこの曲を口ずさんでいたのを、
皆さん、憶えていますか?
それから、このアルバムにはアコースティックの名曲
“Sometimes it snows in April”も収録されていました。
シンプルで心にしみるこのバラードは、
今聴いたら泣けてきそうです…

プリンス・ロジャース・ネルソンさんのご冥福を
心よりお祈りいたします。

Prince – Sometimes it snows in April

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