驚きの大復活 アズ・イェット『She’s Magic』



このところ、ジョデシィやシルクなど、
90年代のヴォーカルグループが相次いで復活していますが、
まさか彼らが復活するとは、思ってもみませんでした。
アズ・イェット(Az Yet)。
デビューアルバムから20年ぶりのセカンドアルバム
『She’s Magic』が発売されました。

彼らのデビューアルバム『Az Yet』は、
美しいコーラスでスロウナンバーを聴かせる内容でした。
ボーイズⅡメンに似ていましたが、ちょっと華やかさに
欠けていたためか、その後音沙汰がなくなり、
「上手なのに残念」と思っていました。

しかし、彼らは解散したわけではなく、
メンバーチェンジを繰り返しながらコツコツと活動を続け、
ついにフルアルバムを完成させたのです。
本当によくがんばったなあ、と思います。

私は、中心メンバーのマーク・ネルソンの歌声が大好きなので、
彼がグループに残っているかどうか気になっていました。
大丈夫、マークは在籍しており、その美声も昔と変わりありませんでした。

ニューアルバム『She’s Magic』は、デビューアルバム同様、
スロウで固めた、しっとりと落ち着いた作品です。
昨今のR&B事情はあまり気にせず我が道を行った、という感じですが、
それでよかった、と私は思います。

まず、おすすめの曲は“Love Her Mind”です。
ミディアムのグルーヴ感が気持ちよいナンバーで、
ヴォーカルの掛け合いも見事。
R&B好きのツボを押さえた、とても良い曲だと思います。

それから“Last Night”は、彼らのかつてのヒット曲の
セルフカバーです。
懐かしいですね~、いつ聴いても「哀愁」の二文字が頭に浮かぶ、
せつないバラードです。

そして注目したいのは、アカペラ曲を2曲もやっていることです。
「私たちは、きちんとコーラスがとれるグループなんですよ!」という
自信のあらわれなんでしょうね。頼もしい限りです。
特にアルバムラストの“One Last Cry”は、
ブライアン・マックナイトの曲をアカペラでカバーしたものですが、
選曲も含めて、素晴らしいとしかいいようのない仕上がりで、感動しました。

アズ・イェットのニューアルバム『She’s Magic』は
コーラスグループの醍醐味を味わえる作品です。
ぜひ、聴いてみてください。

Az Yet – Love Her Mind

Az Yet – One Last Cry

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