素晴らしい歌の贈り物 キース・スウェット『Playing For Keeps』



ベテランR&Bシンガー、キース・スウェット(Keith Sweat)の
ニューアルバム『Playing For Keeps』が発売されました。
前作からわずか2年とのこと。
好調に活動を続けるキースさんです。

さっそく聴いてみました。
今回もファンの期待を裏切らない
素晴らしいR&Bアルバムに仕上がっていました。

アルバム全体が、メロウな楽曲で占められていますが、
その内容は現行R&B形式の曲と、90年代R&B的な曲の
二つのタイプに分けられます。

現行R&Bとは、ラップと歌の中間のような、
いわゆる「節なしソング」なので、
ベテランには難しそうなイメージがありますが、
キースはごく自然に対応。
抑制のきいた歌で、とても57歳とは思えない、
半端ない現役感を出していました。

その一方、90年代風のメロディアスな曲は
感情豊かに歌い上げるキース。
表現力の幅の広さ、そのテクニックに、
「すごいなあ…」と感心してしまいました。

このアルバムの質を高めた要因として
制作スタッフに恵まれたことも
挙げられるでしょう。

キースとは旧知の仲である
テディ・ライリー(Teddy Riley)の参加は
良い出来事でした。
テディ師匠のしっかりした存在感によって、
メロウナンバーが続いてもグダグダにならず、
気持ちよいグルーヴが生まれたのではないでしょうか。

そして、今作のスタッフで最も重要な人物は
インデイ・ソウル界の実力派グループ、レジット(LEJIT)の
メンバーでもある、ロイ“チップ”アンソニー(Roi Chip Anthony)
だと思います。

レジットの持つ、スムースなR&Bに
古き良きソウルのエッセンスを加えたような音楽性が、
キースにぴったりはまり、良い結果につながったと感じました。
ロイが関わった曲は、本当にどれも良くて、
先行シングルの“How Many Ways”(K-Ciとのデュエット)や
R&Bファンのハートを直撃する必殺ミッド
“Red Negligee”などは、特に素晴らしかったです。

また、今作も様々なゲストを招いている点にも注目です。
前述のK-Ciをはじめ、タンク(Tank)やエイコン(Akon)などが
参加しているので、キースとの歌くらべを
楽しんでいただけたら、と思います。

キース・スウェットのニューアルバム『Playing For Keeps』は
素晴らしい歌の贈り物です。
ぜひ聴いてみてください。

Keith Sweat – How Many Ways (Audio) ft. K-Ci

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