クリス・ブラウンの傑作ニューアルバム『Indigo』



こんにちは。

人気R&Bシンガー、クリス・ブラウン(Chris Brown)のニューアルバム『Indigo』が発売されました。前作『Heartbreak on a Full Moon 』から1年半ぶりの新作となります。相変わらず、いいペースでアルバムを出してきますね。もう30歳になったクリスですが、R&B界の中心的存在として、よくがんばっているなと思います。

前作のアルバムジャケットは、抽象的で神秘的なイメージでしたが、今回はそれに比べると、わかりやすい図柄になっています。白髪のクリスを中央に、周囲をモンスター(昔のゲームの中ボスみたいな)が囲むという、なかなかシュールなデザインですが、一目でクリス・ブラウンのアルバムとわかるところが、いいと思います。今作も前作と同じ2枚組仕様で、全部で33曲が収録されています。ちょっと驚いてしまうぐらいの、大盤振る舞いです。CDの販売不振がいわれる中、売り上げを伸ばすための方策として、数で勝負することを選んだのでしょうか。それはともかく、アルバムひとつで色々な曲がたっぷり聴けることは、リスナーにとっては嬉しいことですよね。

ということで、ニューアルバム『Indigo』を聴いてみました。前作はミディアムグルーヴ系の楽曲が目立っていたのに対し、今作はインパクトのあるアップ系の曲も組み込んで動きがあり、飽きさせない内容になっていました。サンプリングのフル活用で90年代らしさが垣間見えるところもあり、楽しんで聴くことができました。

そしていつものように、ゲストが多彩です。シンガーだけをみてみても、ポップR&B部門からはジャスティン・ビーバー、アンビエントR&B部門からはドレイクやハー、一般R&B部門からはタンクらを招いています。一般R&B部門だけをみても、若手からトーリー・レインズ、中堅からトレイ・ソソングズ、ベテランからタンクといった具合に、各グループからまんべんなく人を集めています。このことから、アルバム『Indigo』は、現在のR&Bのさまざまな魅力を伝える「総合R&B盤」として楽しめる作品だと思いました。

おすすめの曲をご紹介しましょう。まずは、以前の記事でも取り上げた先行シングルの”Undecided”です。シャニースの”I Love Your Smile”を大胆にサンプリングした、明るいポップR&Bです。曲の明るさに負けないくらい、クリスの歌も清々しくて、聴いていて気持ちのよい曲です。

そして、ダンスが得意なクリスにぴったりな盛り上げ系のダンスナンバー”Wobble Up”も良かったです。ラッパーのニッキー・ミナージュとは前にも共演していましたが、相性のいい組み合わせだと思います。

ノリのいいところでは”Need A Stack”もおすすめです。前半はラップがフィーチャーされていて、クリスの歌まで少し待たされますが、歌い出すやその存在感が光ります。でも、前半のラップ部分からカッコイイ曲です。

カリビアンっぽいリズムを取り入れつつキレイめにまとめた”Back To Love”も、聴きやすくてよかったです。ミュージックビデオでは、マイケル・ジャクソンのようなクリスのパフォーマンスが楽しめます。

ドレイクとの共演曲”No Guidance”にも注目したいです。ドレイクとクリスといえば、リアーナに関していざこざがあったといわれていますが、どうやら和解して、共演が実現したようです。ドレイクが得意とするメロウ系の楽曲ですが、クリスも自分らしさを発揮して堂々と渡り合っていて、興味深い一曲です。

アルバム『Indigo』には元気な曲が多いですが、”Girl Of My Dreams”というメロディーの美しいスロウナンバーもあります。クリス・ブラウンは若々しい声を張ってクリアに歌い上げるシンガーなので、アップ系の曲が似合うのですが、スロウも丁寧に歌っていて好感が持てます。

そして、私がとても気に入ってしまった曲が”Throw It Back”です。グルーヴィーなアーバンミディアムで、どちらかといえば、ちょっと古いタイプのR&Bです。今ふうに細工はされていますが、曲の味わいを損なうほどではなく、良質なR&Bナンバーに仕上がっていて良かったです。

   

以上、クリス・ブラウンのニューアルバム『Indigo』を聴いてみました。数あるクリスのアルバムのなかでも、これは傑作といってよい作品だと思います。ですからジャケットデザインでひかずに、ぜひ手にとって聴いてみてください!

   

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