癒しのアルバム ロビン・シック『On Earth,and ㏌ Heaven』



こんにちは!
今回は、先日発売されたロビン・シック(Robin Thicke)の6年ぶりのニューアルバム『On Earth,and ㏌ Heaven』をご紹介します。

ロビン・シックといえば、爆発的な大ヒット曲 ”Blurred Lines” をご記憶の方も多いと思います。彼はあの一曲で、日本でも大ブレイクしました。しかしその成功の陰で、ミュージックビデオが女性軽視だとする批判、マービン・ゲイの遺族との泥沼裁判、妻以外の女性との不適切な関係、その果ての離婚、とさまざまな災難に見舞われました。別れた妻の名をアルバムタイトルにするなど、傍から見てもその精神状態が心配になるほどでした。しかし彼は、その後見事にV字回復。17歳年下のモデルと婚約して子供も生まれ、現在は幸せに暮らしているそうです。

新作『On Earth,and ㏌ Heaven』は、そんな彼の今の状態を反映した、とても穏やかなアルバムです。天国に旅立った愛する人へ思いを馳せるというアルバムコンセプトのもと、自然で無理のないメロディーや生演奏の音色など、すべてが優しさで包まれている作品です。

収録曲は、ボサノバ、ラテン、ソウル、ファンクと、ジャンルの幅が広いです(現行R&Bは見当たらず)。曲調に変化があるので、アルバム一枚を通して聴いても飽きません。そして、曲から曲への流れがスムーズで全体的によくまとまっているため、ジャンルの広さのわりには聴きやすいと感じました。

ロビン・シックは実力派のシンガーで、ファルセットは美しいですし、地声を張ったソウルフルな歌いまわしも魅力的です。今作ではアルバムコンセプトに従って、強めの表現は控えたようですが、いつもながらの端正なヴォーカルは素晴らしかったです。

それでは、収録曲をいくつかご紹介しましょう。まずはアルバムの一曲目の”Lucky Star”です。アコーステイックギター、ピアノ、そしてロビンの歌で奏でられる、シンプルで美しいボサノバ調の曲です。固くなった心もゆるっとほぐされる、極上の癒やし系ナンバーです。

”Look Easy”は、スパニッシュギターの哀愁を帯びた音色が印象的。ちょっとフラメンコのステップでも踏みたくなるような曲です。ロビンも少しハスキーな歌い方で、もの悲しい雰囲気をうまく表現しています。

”Take Me Higher”は、このアルバムのなかでもっとも体が揺れるダンスナンバーです。プロデュースを務めたのは、ファレル・ウィリアムズ。オーソドックスなファンクで、親しみやすい曲です。アルバムのまとまりを重視したのか、ファレル色は薄めになっていますが、よく聴くとファレル流の”遊び”が感じられて、おもしろいです。曲の冒頭にはシンプルなギターを使うなど、この一曲がアルバムのなかで浮かないような工夫もされており、さすがだなと思いました。

ロビン・シックのニューアルバム『On Earth,and ㏌ Heaven』をご紹介しました。良い作品ですので、ぜひ聴いてみてください。

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