安心して聴ける作品です。ミュージック・ソウルチャイルド『Life On Earth』



ネオ・ソウルの人気者といえば、
ミュージック・ソウルチャイルド(Musiq Soulchild)です。
2000年に、アルバム”Aijuswanaseing”でデビューして以来、
その作品は高く評価されていて、私も彼のファンです。

彼の歌は、よく「スティービー・ワンダー風」といわれます。
惚れ惚れするような美声の持ち主ではないし、圧倒的な歌唱力を
有しているわけでもないけれど、妙に存在感があるんですよね。
ついつい聴き入ってしまう歌声なのです。
そして、歌よりも魅力的だと私が思うのが、楽曲です。
懐かしいソウルの良さを取り込みつつ、ひねりを効かせて
ちょっと複雑にし、独特の“ミュージック”ワールドを作り上げています。
ネオ・ソウル系の人は曲に凝る人が多いですが、
そのなかでも、彼の曲の良さ・面白さは、群を抜いていると思います。

そのミュージックですが、最近はセリーナ・ジョンソン(Syleena Johnson)と
レゲエをやったり、名前を変えてヒップホップをやったりしていました。
活動の振れ幅が大きすぎて、私には彼が迷走しているように見え、
「大丈夫か?ミュージック…」と心配になっていたのです。

そんなところへ、ニューアルバム『Life On Earth』が届けられました。
およそ5年ぶりの作品です。早速聴いてみました。

前半は、今風の歌唱スタイルで挑むアップナンバーもありますが、
曲が進むにつれて、落ち着いた雰囲気になってきます。
彼の歌声は、相変わらず暖かみがありますし、曲のほうも
大幅な路線変更はないので、昔からのファンの方も
安心して聴ける作品だと思います。私も一安心しました。

印象に残った曲を挙げてみます。
まず“Loving You”です。これは、トニ・トニ・トニ(Tony! Toni! Toné!)“の
“Lovin’ You”を元に、アンビエント風に仕立てた曲です。
ネタ元のトニ・トニ・トニの“Lovin’ You”が懐かしくなって、
久しぶりに聴いてしまいました。
そして、“Changed My Mind”は、どこかアース・ウィンド&ファイアー風の曲で、
楽しく聴けました。
それから、シングルカットされた“I Do”も良かったです。
シンプルで優しいメロディーに、心が和みますね。
デビューアルバムを彷彿させる、良い曲だと思いました。

ミュージック・ソウルチャイルドのニューアルバム『Life On Earth』。
ぜひ、聴いてみてください。

Musiq Soulchild – I Do

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