あみのR&B日記 「傘」
今は梅雨の最中ですが、快晴で最高気温が30度以上という、夏本番のような日も多いですね。私が子どもの頃の梅雨は、しとしとと雨が降り続き、じめじめしていて鬱陶しいものでした。しかし現在のように豪雨に見舞われることはあまりなく、鬱陶しい一方で情緒もあって、雨を歌った流行歌もたくさんありました。今は気候が厳しくなっているので、のんびりと雨の歌を歌う余裕は、なかなか持てません。まず何よりも災害対策、それが重要になっています。
毎年梅雨入り前になると、「今年は傘を新調したほうがよいのだろうか」と、少し悩みます。
私が使っている長傘は、いつから使い始めたのか思い出せないほど、かなり長い期間使用しているものです。ベージュ基調のチェック柄なので汚れもあまり目立たず、大きさもたっぷりあって骨もしっかりしているので、普通に使うぶんには問題はありません。ただ、木の持ち手が長年の使用によって傷だらけになっており、それを見るたびに「そろそろ引退させたほうがよいのでは」と思ってしまうのです。
私は何かに夢中になると、他のことに気がまわらなくなるタイプなので、昔から傘の置き忘れをよくやってしまいます。たいてい、戻ってくることはないのですが、なぜかこのベージュの傘は、紛失の危機を何回もくぐり抜けているのです。
置き忘れたことに気がついて戻ってみると、その場所にそのまま置いてあって「よかったー」と胸をなでおろしたことも、一度や二度ではありません。あるショッピングモールで傘がないことに気がついたときは、買い物にまわったお店を一軒ずつ探しても見つからず、インフォメーションセンターにも届いていなくて、さすがに「もうだめか」とあきらめモードになりました。ところがその後、警備員さんが見つけて控室で保管してくれていたことが、わかったのです。警備員さんから「これでしょうか?」と、あのベージュの傘を差し出されたときは、まるで迷子の我が子に再会したかのような安堵感で、胸がいっぱいになりました。
そんなわけで、なにか不思議な縁のようなものすら感じてしまう、ベージュの長傘。結局、今も我が家の傘立てに収まっています。
ということで、今回ご紹介する曲は、ジェラルド・リヴァート(Gerald Levert)の”Raindrops”です。2002年のアルバム『The G-Spot』に収録されています。男性ヴォーカルグループ・リヴァートのメンバーだった彼は、ソロになってからも良質なアルバムを多数発表しました。そのなかでも、この『The G-Spot』は素晴らしいメロウソウル盤で、お気に入りの一枚です。よかったら、アルバムの方も聴いてみてくださいね。
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