ベイビーフェイス新作特集① これまでのアルバムを振り返って
ベイビーフェイスBabyfaceが、
トニ・ブラクストンToni Braxtonとの共演盤というかたちで、
新作”Love Marriage & Divorce”を発表しました。
このアルバムについては、また後ほど書くとして、
ざっと、これまでのベイビーフェイスについて、
振り返ってみたいと思います。
私がベイビーフェイスを知ったのは、80年代の後半。
ザ・ディールThe Deeleというグループの”Two Occasions”が
全米で大ヒットしてそのミュージックビデオがよくテレビで
流れていました。
私は美しいバラードの”Two Occasions”が大好きで、ビデオも
よく見ていたのですが、そこで、ピアノを弾きながらうっとり
歌う、細面の、少々地味めな人が、ベイビーフェイスその人で
した。
“Two Occasions”の大ヒット以降、彼はプロデューサーとして、
成功の道を歩んでいくことになります。
またソロシンガーとしても、充実したアルバムを発表して
いきました。
彼のアルバムで、印象に残っているものをいくつか挙げて
みましょう。
まず、セカンドアルバムの”Tender Lover”(89年)
これはベイビーフェイスらしい美しい曲でうめつくされた、
私が最も気に入っている作品で、今でもよく聴いています。
スローナンバーが美しいのはもちろん、アップナンバーも
親しみやすいポップなファンクで、すべていい曲なのです。
ベイビーフェイスの歌も、甘い魅力たっぷりで、
アルバム全体が、キラキラした雰囲気に包まれています。
次に4枚目のオリジナルアルバム”The Day”(96年)
これは”Tender Lover”とは対照的な作風です。
“Tender Lover”が「明・陽・動」なら
こちらは「暗・陰・静」といった感じ。
主要な楽器がピアノからアコースティックギターに
変わり、ぐっと落ち着いた雰囲気になりました。
とはいえ、美しいメロディーに変わりはなく、
じっくり曲と向き合えるアルバムだと思います。
そして、衝撃の問題作”Face 2 Face”(01年)
ネプチューンズなど、当時の売れっ子プロデューサーの
力を借りて、流行のR&Bに取り組みました。
しかし、それが哀しいくらいにかみあわず、
違和感だけが残る結果になってしまいました。
私もファンのひとりとして、彼を擁護しようと
一生懸命聴きましたが、理解に苦しんだまま
現在に至っています。
積極的におすすめするアルバムではありませんが、
ベイビーフェイスの歴史を振り返る上では、重要な作品といえるでしょう。
(でもこれ、iTunesで売ってないんですよね…。
無かったこと、にされてしまったんでしょうか…。)
ベイビーフェイスって、プロデューサーとしては
素晴らしいけれど、歌手としてはいまひとつ…という
意見をきくことがあります。
でも、私は歌ったり楽器を弾いたりする「アーティスト・ベイビーフェイス」を
とても評価しているんです。
彼が作る美しい曲は、彼の甘く軽やかな歌声で
最も輝くような気がするからです。
ということで、次回は久々のニューアルバム
“Love Marriage & Divorce”について書いてみたいと思います。
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