黒人音楽ファン必聴の大作 サラーム・レミ『Black on Purpose』後編



こんにちは!
今回は、サラーム・レミのニューアルバム『Black on Purpose』のレビュー後編をお届けします。

『Black on Purpose』が、ブラック・ライブズ・マター(BLM)や公民権運動と繋がりがあることは、前回お話ししました。これは大きな特徴ですが、それ以外の観点からも様々な楽しみ方ができるのが、このアルバムの素晴らしいところです。まず、ヒップホップ作品として充実感があります。バスタ・ライムス(Busta Rhymes)コモン(Common)ナズ(Nas)といったベテラン勢が参加しており、彼らのラップの聴き比べもできます。

そして、歌を聴かせるR&B作品としても、かなり優秀です。とにかく参加シンガーが豪華。企画ものには欠かせない貴重な人材のビラル(Bilal)をはじめ、90年代から活躍するR&Bシンガーのケイス(Case)や、俳優でありながら90’sR&Bを継承するシンガーとしても活躍するマック・ワイルズ(Mack Wilds)など、個性豊かなメンバーが顔を揃えています。

圧巻なのが、シーロー・グリーン(CeeLo Green)アンソニー・ハミルトン(Anthony Hamilton)シリーナ・ジョンソン(Syleena Johnson)らが共演した “Is It Because I’m Black” です。これは、シリーナの父親シル・ジョンソン(Syl Johnson)のカバーで、黒人であるがゆえの苦悩を表現した曲です。高い歌唱力を誇るシンガーたちが歌い継いでいく様子に、圧倒されました。

それから、”Is It Because I’m Black” とは対照的な軽快なラブソング “Black Love” も良かったです。歌っているのは、”Be Your Girl” のヒットで知られるティードラ・モーゼス(Teedra Moses)。彼女の明るくキュートな歌声は、まるでアルバムのなかのオアシスのようで、素敵でした。

いろいろなタイプの曲が収録されている『Black on Purpose』。それぞれに良さがありますが、あえて一曲をと言われたら、”yonder” をおすすめします。これは、ゴスペル曲 “Goin Up Yonder” をベースにしたラップソングで、ナズとジェニファー・ハドソン(Jennifer Hudson)が共演しています。メロディーに乗せるのが抜群に上手なナズのラップ、天まで届くほどに吹き上がるジェニファーのヴォーカル、ともに素晴らしいです。人種に関係なく、すべての人に神のご加護がありますように、と願わずにはいられませんでした。

サラーム・レミの『Black on Purpose』は、当初デジタルのみでのリリースでしたが、その後LPやCDでも発売されました(CDにはミュージックビデオを収録したDVDがついています)。どうぞお好きなスタイルで、お楽しみください。

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