グッと大人っぽくなったケイスの新作“Heaven's Door”



ベテラン男性R&Bシンガーのケイス(Case)が
ニューアルバム“Heaven’s Door”を出しました。

ケイスといって思い出すのは、99年の名盤
“Personal Conversation”です。
そこに収録された“Happily Ever After”を聴いて
私は何度、心の中で感動の涙を流したことか。
“Happily Ever After”以外にも、名曲がそろったこのアルバムは
90年代を代表する傑作R&B作品として、
私は高く評価しています。

ケイスのこれまでのアルバムを聴いて思うのは、
彼は、とてもメロディーを大事にする人だな、ということです。
私も、R&Bを聴くときには、メロディーを重要視するタイプ。
ですので、ケイスのスタイルに共感し、
ずっと彼を応援し続けているのです。

今回のアルバム“Heaven’s Door”は
前作“Rose Experience”から6年ぶりということになります。
前作は、90年代R&Bの良いところを
ふたたび思い起こさせてくれた、好盤でした。
さて、今作は?と思ってジャケットをみると
なんかイメージが、今までとちょっと違う…
なんと、ケイスが帽子を被っていないのです。
今まで、ニット帽、野球帽、ハンチングなど、
さまざまな彼の帽子スタイルを見慣れた目には、
新鮮にうつりました。
これは、アルバムの内容にも変化があるのか、と
早速聴いてみることにしました。

冒頭の“Timeless”から、ちょっと懐かしい感じがします。
そう、これは90年代にヒットした
フージーズ(The Fugees)の“ Killing Me Softly With His Song”を
下敷きにしているのです。
ピアノの調べも美しくて、いい曲だな、と思いました。
続く“Heavy Breathing”は、これぞケイス!なナンバーです。
昔、ジョーとやってた頃のような、メロウなミディアムで、
いかにもケイスファンが喜びそうな曲。
もちろん、私も気に入りました。
3曲目の“Shook Up”は、 シングルカットされた曲で
ミュージックビデオも作られています。
聴きやすいR&Bです。

こんな感じで、特に変わったところはありませんでしたが
(いくつか、今風にアレンジされた曲はありましたが)
最後の“I Won’t Cry Anymore”が、サプライズだったのです。

この曲は、R&Bというより、ジャズでした。
R&Bシンガーが年齢を重ねるとジャズに近づいていく
のは、よくあることです。
ケイスも、いつまでもヒップホップR&B兄ちゃんではないのだな、
と、しみじみ月日の流れを感じました。
ケイスのジャズって、ちょっと想像がつきにくいですけれど、
この曲の彼のヴォーカルは、聴く価値があると思います。
めずらしくファルセットで歌っているのですが、
それが優しくて、いい感じなんですよねー。
彼の新しい魅力をみつけたようで、嬉しくなりました。

ケイスの新作“Heaven’s Door”を
よかったら聴いてみてくださいね。

Case – Shook Up

Case – Happily Ever After

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