絶品大人のR&B ジョニー・ギル『Game Changer II』



こんにちは。

前回の記事で、定額制音楽配信サービスに加入して喜んで聴いていると書きました。ところが、なんとその直後にインターネットの接続に不具合が生じ、思うように聴けなくなってしまったのです。現在は復旧していますが、こういうことがあると、インターネットに頼りすぎるのもいかがなものか、と思ってしまいますね…。

ということで、今回ご紹介するのは、久し振りにCDを購入した作品です。ジョニー・ギル(Johnny Gill)のニューアルバム『Game Changer II』です。これは配信でも聴けるのですが、私は昔からジョニーのファンで、彼のCDが欲しかったので、買いました。

CDのケースをパカっと開けて中のブックレットを取り出し、広げる。これがCDを買ったときの楽しみですよね。そこに写ったジョニーの姿は、ベテランソウルシンガーらしい風格が漂っていて、素敵でした。あごひげだけを白く残しているのも、なかなかおしゃれ。お互いに年とったよな、などと思いつつ、さっそく聴いてみました。

全体的な感想としては、前作の『Game Changer』の流れを引き継いだ安定感のあるR&Bアルバムで、聴きやすく良い作品だと思いました。定番的な曲が多いですが、ある程度現行R&Bを意識しているので、 古臭さは感じませんでした。最近出た作品でいうと、チャーリー・ウィルソンに似たスタイルといえましょうか。これぞ大人のR&B、という感じがしました。ジョニーも声がよく出ていましたね。彼の持ち味であるシャウトを交えた熱いヴォーカルに、しびれました。

アルバムの注目曲をみていきましょう。まずは1曲目の”Only One”です。驚いたことに、これはレゲエ調の曲でした。アルバムで最も大事なオープニングにレゲエを持ってくるとは、思い切ったことをしたものです。しかしレゲエといっても、一般的にイメージされる脱力系の音楽ではなく、力強いソウル・レゲエなので、思ったより違和感なく聴けました。とても印象に残りやすい曲だと思いました。

そして、驚きはまだ続きます。2曲目の”Fiesta”は、ラテン・ミュージックでした。ゲストにサンタナとシーラ・Eを迎えており、かなり本格的なラテンで、ズンバが踊りたくなりました。以前、エリック・べネイのアルバムを聴いたときと同じように、実力派の歌手がキャリアを重ねると、ラテンが似合うようになるんだなあ、と思いました。ジョニーのヴォーカルも、ラテンのリズムにあわせて、しなやかに表現されていました。

意欲的なアルバム序盤を経て、3曲目の”Soul of a Woman”で、いつものジョニーが戻ってきました。彼の十八番であるバラードです。 ボビー・ウーマック風のギター、ドラマティックに展開するメロディー、情感たっぷりに歌い上げるヴォーカル…。とても素敵な曲で、私も大変気に入りました。 ”My,My,My”が好きな人にも、おすすめしたいです。 アメリカでは、この曲はシングルカットされて、アダルトR&B エアプレイチャートでヒットを記録しました。

今作も、ゲストシンガーとのデュエットが聴きどころとなります。4曲目の”Perfect”では、ニュー・エディション時代の同僚、ラルフ・トレスヴァント(Ralph Tresvant)と共演しています。30年前は、ラルフとジョニーの声が全然違うと思いましたが(ジョニーの声年齢が異常に高かった)現在は、ラルフにも貫録が出て、渋い男同氏のデュエットになりました。曲調はラヒーム・デヴォーンみたいなダウナーなミッドスロウで、どちらかといえばラルフに合っている曲のように思いました。そういえば、ニュー・エディションのニューアルバムを準備中だと聞いた気がするのですが、あの話はどうなったんでしょうね…?

そして、10曲目の”Home”では、ケヴォン・エドモンズ(Kevon Edmonds)と共演しています。こちらは生演奏をバックにした正統派のバラードで、聴いていて安心感のある曲でした。やはりアルバムにこういうのがひとつあると、嬉しいですよね。ケヴォンは実力はあるけれど地味な存在になりがちな人なので、こんなふうに他のアーティストの作品に、どんどん顔を出してほしいと思いました。

以上、ジョニー・ギルのニューアルバム 『Game Changer II』 をご紹介しました。ベテランシンガーの力作です。ぜひ、聴いてみてください。

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